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iPhone差別化で一体的な開発狙う

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◇ルネサスの半導体子会社買収に名乗り

 米アップルが、半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの子会社買収に名乗りを上げた。中国勢などの格安スマートフォンの攻勢を受けるアップルの主力商品「iPhone」(アイフォーン)。市場シェアの低下に歯止めをかけるカギは、中核技術と重要部品の囲い込みで、商品開発のスピードアップを実現できるかどうかにある。

アップルが買収を打診しているのは、液晶用半導体を開発するルネサスエスピードライバ(RSP、東京都小平市)。液晶パネルの高画質化や省電力化を左右する基幹技術を武器に、中小型液晶向けで世界シェア3割を握る最大手だ。

 ルネサスが55%、シャープが25%、台湾の半導体メーカー、パワーチップが20%を出資。アップルはルネサスから全保有株を買い取る交渉を進めている。

 アップルは、ソフト開発やデザインに注力し、製品の生産は外部に委託する外注路線で成長を続けてきた。ところが、近年は米国やイスラエルの半導体関連企業を相次いで買収。製品の頭脳部分を内製化し、最新技術の囲い込みを図っている。1600億ドルに上る内部留保の有効活用を求める投資家の声も強まっており、今後も企業買収を活発化させるとみられる。

 スマホは必要な部品を選んで受託メーカーに発注すれば、特別な技術がなくても製造できる。生産コストの低い中国勢などの新興メーカーが急速に製品力を高め、アップルなどを脅かしているのも、基本的な機能では差別化が困難になっているためだ。

 アップルがRSPの買収を狙うのは、従来通り高機能、高価格を維持するため「差別化の核になる部分でソフト、ハードの一体的な開発を進める」(アナリスト)狙いがあるとみられる。

 RSPの切り離しを検討しているルネサスの狙いは、安定した受注が見込める自動車向けや産業機械向けに特化することにある。RSPは足元では黒字を確保しているが、価格低下が進んで先行きでは収益を圧迫する懸念があり、経営再建中のルネサスにとって中核事業とは言えない位置にある。昨年10月には通信用半導体を手掛ける「ルネサスモバイル」の欧州、インド法人を米半導体大手に売却。システムLSI(大規模集積回路)を製造していた鶴岡工場(山形県鶴岡市)も、ソニーに売却した。

 ルネサスはRSP売却について、複数企業と交渉しており、アップルに決まるかどうかは流動的な面も残る。【高橋直純、ワシントン平地修】

 ◇iPhone(アイフォーン)

 米アップルが企画・開発するスマートフォン(多機能携帯電話)。2007年に米国で発売され、タッチパネルの操作性やデザインが受けて大ヒットした。日本では08年にソフトバンクが独占販売し、KDDIやNTTドコモも追随した。

 部品の半数程度が日本製で、シャープ、ソニー、TDK、村田製作所などが供給しているとされる。自社で工場を持たず、組み立ては台湾企業などに委託している。ほぼ1年ごとにモデルチェンジし、現在は高機能の「5s」と価格を抑えた「5c」が販売されている。米調査会社IDCによると、13年の世界出荷台数は前年比13%増の1億5340万台でシェアは15・3%。首位、韓国サムスン電子の半分にとどまる。


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